CO2排出量ゼロの電気をつくるしくみ 2018年8月27日 >政策
固定価格買取制度(FIT制度)を使うと非化石価値が国民に還元されます
マイクロ水力発電システムのような再生可能エネルギー源を用いて発電された電気は、CO2排出量がゼロです。
しかし、再生可能エネルギー源を用いて発電された電気は、固定価格買取制度(FIT制度)を使って売電されることが現在一般的です。その場合は、電気が持っている非化石価値(発電に際しCO2排出量がゼロだという環境価値)は国民に還元されます。
皆さんがお使いになっている電力会社からの請求書「電気ご使用量のお知らせ」には、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」なる項目が記載されており、料金が徴収されています。FIT制度は、この徴収されたお金で維持されており、再生可能エネルギー源を用いて発電された電気の買い上げにこのお金が使われます。したがって、電気が持つ非化石価値はこのお金を支払っている国民に還元されるのです。
再生可能エネルギー源を用いて発電された電気は、FIT制度を利用して売電すると、非化石価値をもたない電気とみなされることになります。
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非化石価値を市場調達すれば、CO2排出量ゼロの電気ができる
平成30年5月より再生可能エネルギー源を用いて発電された電気から切り離された非化石価値が市場取引されるようになりました。取引された非化石価値の売却収入は、FIT賦課金の原資に充てられます。FIT制度による国民負担の軽減につながるものと期待されています。
取引は、日本卸電力取引所において電力小売事業者を対象に行われます。この取引により電力小売事業者は、需要家に対して環境価値の高い電力を販売していることをPRできるようになります。また、「エネルギー供給高度化法」に基づく非化石電源の調達義務量も達成できるようになります。
下図のように電力小売事業者は、市場から調達もしくは自社で所有する化石燃料による発電所で発電した電力に対し、取引調達した非化石価値を組み合わせることで、需要家に対しCO2排出量ゼロの電気として販売できるようになりました。
再生可能エネルギー源を用いて発電された電気のうち、FIT制度を利用して売電された電気をFIT電気と呼びます。このFIT電気に非化石価値を組み合わせると、元のCO2排出量ゼロの再生可能エネルギー電気として扱うことができるようになります。
非化石価値の価格は
平成30年5月に第1回目の非化石価値取引が実施され、約定量加重平均価格は1.3円/kWhとなりました。今後も3カ月ごとに非化入札が実施される予定です。