神戸市藤原配水場マイクロ水力発電所の水源は文化遺産(千苅ダム) 2018年10月21日 >事例紹介 >神戸市藤原配水場
藤原配水場マイクロ水力発電所は、千苅ダムから流下した水で発電しています
神戸市藤原配水場マイクロ水力発電所は、千苅ダムを水源とし、千苅浄水場~平田配水池を経て藤原配水場へ流入する水の余剰エネルギーを使って発電しています。また、上流側にある千苅浄水場の流入口でも、神戸市水道局様による小水力発電がおこなわれており、CO2削減に貢献されています。
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千苅ダムは登録有形文化財
水源である千苅ダムをご紹介します。
千苅ダムは、神戸市水道局様の利水専用ダムです。正式には”千苅貯水池えん堤”と呼ばれ、大正3年(1914年)から大正8年(1919年)にかけて建設された水道専用の重力式コンクリートダムです。神戸市の人口増加に対応するため、昭和4年(1929)から昭和6年(1931)には追加工事を行い、ダムの高さを6mかさ上げしています。
ダムの高さは42.4m、ダムの幅は106.6mです。ダム上部には17門のゲートバルブがあり、武庫川水系羽束川(はつかがわ)への放水をコントロールしています。約1160万立方メートルの水をためておくことができ、神戸市北区を中心に給水されます。下のダム写真で中央にアーチ状の水管が見えますが、この水管を通って千苅浄水場へと水は送られています。
千苅ダムは、平成10年(1998年)に文化庁の登録有形文化財に登録、平成13年(2001年)に土木学会の「日本の近代土木遺産~現存する重要な土木構造物2000選 」に選定、平成21年(2009年)には経済産業省「近代化産業遺産」に認定されています。
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一見の価値のある大変美しいダムです
ダムを流れ落ちる水が、まるで”白いレースカーテン”のようです。こうしたレースのような縞模様は、水流の不安定性に起因するもので、「転波列」と呼ばれるそうです。
西日本旅客鉄道(JR